金海山 釈迦院 物語り②薬欄童子の出家

薬欄の出家

薬欄は、十三歳まで八代(やつしろ)の古麓にある麦島城主、桧前正麿(ひのくままさまろ:日隈政丸)のもとで育てられ、その後、伊倉山の麓にある薬師寺に入門して学ばれ、出家されたんじゃ。

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13歳で出家し、草庵を結ぶ

ある時、薬欄は伊倉山の石の上に座って、七日七夜祈り続けられたそうな。その満月の日、東南の方を眺めていると、重なる山々の向こうに一つ嶺が現れた。その嶺には白い光が天にみなぎり、紫色の雲があたりの空にたなびいていたのじゃった。

薬欄は木の根草の根を踏み分けてその嶺を目指された。山は半空にそびえ、白い雲は常に往来し、、今までに経験のない香りが山一面満ちていたそうじゃ。

そして、山の頂付近には大きな池があってのう。薬欄はその池の横に草庵を結んで、修行を始められたのじゃ。

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