判教(教相判釈)の綱格(基本的な枠組み)について説明します。
釈尊が35歳から80歳までの45年間説かれた教えを、今日仏教といいます。
仏教には、大乘仏教や小乘仏教、多様なものがあり、一般の人では何が書かれているのか判断できません。
そこで、仏教を大変深く学んだ各宗派を開いた僧侶(開祖)は、その釈尊の教えを体系的に分類し、教えの浅深高低を見極めました。
僧侶は自宗の教義を最高位とし、他の教義は、そこに至るための方便・階梯(段階)とします。これを教相判釈(判教)といいます。
たとえば中国華厳宗の第三祖賢首大師による「五教判釈」や中国天台宗の智者大師による「五時八敎」など、各宗派にはこの分類方法に基づいた独自の教義解釈があります。
法相宗では、教相判釈を大きく3つに分類しました。
三時の分類(有、空、中)
法相宗は釈尊の教えを「有」「空」「中」という三つのカテゴリーに分けて、仏陀の教えの展開を示す方法です。
- 「有」の時期
- 「空」の時期
- 「中」の時期
これは、お釈迦様の真意(本懐)を段階的に明らかにしていく過程としています。