投稿一覧
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伝教大師最澄による法華経を中心とした仏教統合への道のり
比叡山を開いた伝教大師最澄は、法華経の教えを中心に、日本仏教の新たな展開を目指しました。その壮大な構想と実践の道のりを見ていきましょう。 法華経への深い感銘 最澄の法華経との出会いは、比叡山に入山した直後にさかのぼります。 天台大師の教えを... -
唯識の「心所」とくに「遍行心所」について
心所は、かならず心王(八識)に従う心で、心所には、51の心的要素があります。 これらは「遍行」「別境」「善」「煩悩」「随煩悩」「不定」の6つに分類されます。 遍行:作意、触、受、想、思の5つ 別境:欲、勝解(正しい理解)、念(注意)、定(集中)... -
眞流律師の『教苑摘要』による「三宗一致」(四宗一致)の解説
三宗一致(四宗一致)について眞流律師の『教苑摘要』を参考に紹介します。 原文と意訳を掲載し、眞流律師について簡単に説明をします。 眞流律師 眞流律師。正徳元年(1711年)、勢州津の生まれ。横川禅定院の智濤のもとで出家。享保15年(1730年)、智濤... -
伝教大師最澄の提唱した「四宗一致」と「四宗兼学」の深い教え
仏教には様々な宗派や教えがありますが、伝教大師は「四宗一致」としてそれぞれの教えを融和して教えられました。 今回は、「四宗一致」と、そこからの「四宗兼学」の深い教えを解説します。 四宗一致とは何か? 四宗一致とは、以下4つを根本的に一つに融... -
「時間」は無二の資産
私たちが生まれたときから、「時間」という資産が与えられます。 平均寿命80年で計算すると、一人あたり約70万時間を持っていることになります。 アメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンは「タイムイズマネー(時は金なり)」といい、時間の重要性を... -
私たちの心とは何か?「心王」(八識)についてわかりやすく解説
仏教では、心とは何か、心がどのように働くか、について詳しく解明しています。 心の主体を「心王」または「八識心王」といい、心を8つに分けて教えられます。 まず八識について説明します。 八識とは 一般的なの6つの感覚(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚... -
伝教大師最澄が果たした偉業「四宗統一」(四宗融合)とはどんなことか。
今回は、四宗相承を果たした、伝教大師最澄が、中国天台宗とは異なる宗派を確立したことについて解説します。 伝教大師最澄が築いた独自の仏教体系 宗祖・伝教大師最澄が、叡山(比叡山)を根本道場にして弘めた教えは、最澄独自の仏教体系でした。 伝教大... -
運命は信じるものではなく、切り開くもの
私たちの運命は、どのようにして決まるのでしょうか。 仏教ではどのようにして運命が決まると教えられるのでしょうか。 大切な「問」 人生で最も頻繁に浮かぶ問い—「どうして私が」「なぜ私だけが」。 この問いに直面したとき、多くの人は「運命」という言... -
伝教大師最澄の円・密・禅・戒の四宗相承と天台宗(新法相宗)成立
伝教大師最澄による円・戒・密・禅の四宗相承について説明します。 四宗相承は、四宗を受け継いだという意味です。 その四宗は、円(えん)・密(みつ)・禅(ぜん)・戒(かい)の4つです。 それぞれ簡潔に説明します。 四宗の本質と意義 これらの教えを、次の5人... -
すべての事象を分類!五位百法とは
今回は物質や精神など、すべての事象の分類方法である五位百法の分類について簡潔に説明します。 法とは まず、「法」というのは仏教における存在のあらゆる要素を指します。 これにはすべての事象が含まれます。 たとえば、物質的存在や、肉体、精神・心...